ダニが蕁麻疹の原因に！虫刺されとの見分け方や予防・対策方法を紹介

ダニが原因で蕁麻疹ができたかもしれないと不安を感じている人も多いのではないでしょうか。ダニアレルギーによって起こる蕁麻疹は、ダニの死骸や糞を吸い込むことで症状が出現しやすくなるので、ダニの発生を予防したり退治したりしておくことが大切です。

そこで今回は、ダニが原因で起こる蕁麻疹の予防方法を紹介します。虫刺されとの見分け方や蕁麻疹が起きたときの対処法についても紹介しているので、蕁麻疹の対策方法を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

ダニアレルギーが蕁麻疹の原因になる場合がある

ダニアレルギーは、皮膚の一部が赤く盛り上がったりかゆみを伴ったりする蕁麻疹を引き起こす可能性があります。ダニの死骸や糞を吸い込むことによって症状が出現しやすく、ダニのいる環境であればどこでも起こります。一方、生きているダニに刺された場合は蕁麻疹になりにくく、赤い発疹などができるのが特徴です。

ダニと虫刺されの見分け方

ダニアレルギーによる蕁麻疹と虫刺されの症状は似ている場合があり、原因の特定が難しいこともあります。しかし、それぞれの症状には特徴があるため、自身の症状が該当するかを確認してみましょう。

ダニによる蕁麻疹

ダニによる蕁麻疹の主な症状は、以下の通りです。

• 皮膚の一部が円形や楕円形に盛り上がり、赤くなる
• 手足全体が腫れることがある
• チクチクした痛みを伴う場合がある

蕁麻疹の特徴は、皮膚の一部が赤く盛り上がることです。症状の出る場所もさまざまで、全身に出たり腕や足など身体の一部に出たりすることがあります。

ダニ刺され

ダニ刺されによる主な症状は、以下の通りです。

• 赤い発疹ができ、小さく丸い腫れとなる
• 強いかゆみが1週間ほど続く

ダニ刺されは、腹部や内ももなど皮膚の柔らかい部分が刺されやすいのが特徴です。一方、衣服に隠れていない顔や手足は刺されにくく、症状が出ることは少ないといわれています。

虫刺され

虫刺されによる主な症状は、以下の通りです。

• 刺されたときに痛みを感じる場合がある
• かゆみや赤い発疹があらわれる

虫刺されの原因となった虫の種類によっても異なりますが、刺された直後からかゆみが出たり赤い発疹となったりします。かゆみや赤い発疹は、数日～1週間程度で治るケースが多いです。

人を刺すダニは3種類

人の皮膚を刺すダニはツメダニ、イエダニ、マダニの3種類です。これらのダニは、発生しやすい場所や季節が異なるので、特徴を押さえておくことで刺されたダニを特定することができます。それぞれの特徴は以下の通りです。

【室内】

種類	特徴
ツメダニ	・体長0.6mm前後 ・人が就寝している間に傷口から唾液を入れて人の体液を吸う ・建築後2〜3年経過した家屋や新しい畳に出現するヒョウヒダニやコナダニの発生に伴って大量発生する場合がある
イエダニ	・体長0.7mm前後 ・わき腹や下腹部、太ももの内側など皮膚の柔らかい部分を刺す ・ネズミや鳥類に寄生しているが、人も吸血する場合がある ・夏場に繁殖する

【屋外】

種類	特徴
マダニ	・体長2〜8mm ・太ももやわき腹など柔らかい場所を狙い、数日〜10日かけてゆっくり吸血する ・裏庭や畑、山林などに生息する ・重大な感染症が起こる可能性があるので、刺された場合は速やかに皮膚科を受診

ダニが発生しやすい環境

ダニは、高温多湿な環境や、人の皮膚や垢が落ちている場所に発生しやすく、大量発生するとダニに刺されるリスクが高まります。ダニによる被害を抑えるためには、ダニが発生しにくい環境にすることが大切です。

ここでは、ダニが発生しやすい環境について詳しく紹介します。

高温多湿

湿度が高く暖かい場所を好むダニは、梅雨から夏にかけての時期に繁殖しやすくなります。気温20〜30℃かつ湿度60〜80％の環境でダニが増えやすいので、エアコンを使用したり除湿機を稼働させたりするなどの対策がおすすめです。

人の皮脂や垢が落ちている

人の皮脂や垢、食べ残しが落ちている環境は、ダニが繁殖しやすくなります。枕や布団、カーペット、畳といった皮脂や垢などが付きやすい場所は、小まめに掃除することを意識しましょう。

ダニが原因で蕁麻疹が起きたときの対処法

ダニによって蕁麻疹が出たときは、市販薬を使用したり皮膚科を受診したりすることで改善する可能性があります。応急処置をせずに放置すると、症状が悪化してしまう恐れがあるため、速やかに対処しましょう。

市販薬を使用する

ダニが原因で蕁麻疹が起きたときは、かゆみ止めなどの市販薬で応急処置ができる場合があります。ドラッグストアなどで薬剤師に相談したうえで、症状に合った市販薬を購入しましょう。

皮膚科を受診する

市販薬を使用してもかゆみが収まらなかったり悪化したりする場合は、皮膚科を受診しましょう。ステロイド薬（塗り薬）を処方してもらうことで改善する可能性があります。

治癒までに時間がかかると、蕁麻疹の跡が残ってしまう可能性もあるので、治りが遅いと感じたら医師への相談がおすすめです。

アレルギー検査で蕁麻疹の原因を調べるのもおすすめ

蕁麻疹の原因がダニであるかを調べるためには、皮膚科でアレルギー検査をするのも1つの手段です。血液検査と皮膚テストの2つの検査を通して、ダニアレルギーの有無を調べることができます。

ダニアレルギーがあった場合は、舌下免疫療法などの治療が受けられるので、まずは皮膚科に相談してみましょう。

【場所別】ダニ予防・退治方法

ダニを除去するためには、定期的に掃除をして清潔な状態を保つことが大切です。ダニの繁殖場所になりやすい以下のような場所は、入念に掃除するように心がけましょう。

• 畳
• ソファ・ぬいぐるみ・カーペット
• 枕
• 掛け布団
• マットレス

ここでは、場所ごとのダニ予防・ダニ退治方法を詳しく紹介します。

畳

ゴミがたまったり湿気が残ったりしやすい畳は、ダニ予防が必要です。畳の上にカーペットを敷くと、掃除がしにくく湿気がたまりやすくなるので、畳の上は何も敷かないようにしましょう。

ダニは畳の下にも繁殖するので、畳を取り外して掃除機でホコリを吸い取り、天日干しで乾燥させるのがおすすめです。ただし、直射日光に当てると畳が傷んでしまう可能性もあるので、日差しの強い日中は薄いカーテンなどを使って直射日光を当てないようにしましょう。

ソファ・ぬいぐるみ・カーペット

布製のソファやぬいぐるみ、カーペットは食べこぼしなどが付きやすく、ダニが繁殖しやすい環境です。ダニの繁殖防止には、スチームアイロンなどを使ってダニが死滅する60℃以上の高温にするのがおすすめです。ただし、熱によって生地を傷める可能性があるので、数十cm離してスチームアイロンをあてましょう。

スチームアイロンを使った後に掃除機で死骸を吸い取る際、爪が引っかかって吸引されなかったダニが残ってしまうことがあります。ダニを確実に除去するためにも、1往復5〜6秒を目安に、さまざまな方向から掃除機をかけるようにしましょう。

枕

ダニの死骸や糞は水に溶ける性質があるので、洗えるタイプの枕であれば洗濯するのがおすすめです。洗えない枕を使っている場合は、枕カバーを定期的に洗い、髪の毛や皮脂の汚れを取り除くことでダニ予防につながります。また、防ダニ機能のある枕カバーを選ぶのも効果的です。

上述したように、ダニは熱に弱いので、洗えるタイプの枕や枕カバーを60℃以上の熱湯につけおきするのもよいでしょう。ただし、熱に弱い素材もあるので、洗濯表示を確認してお手入れすることが大切です。

また、枕が洗えないタイプであっても、お手入れとダニの駆除が同時にできる布団クリーナーや布団掃除機を使うのもおすすめです。

掛け布団

掛け布団のダニ退治には、布団乾燥機やコインランドリーの乾燥機を使用するのがおすすめです。布団乾燥機は週1回程度、コインランドリーの乾燥機は2〜3ヶ月に1回程度のペースが効果的です。乾燥後には、必ず掃除機をかけてダニの死骸や糞を取り除くようにしましょう。

自分で対策するのが面倒な人は、クリーニングサービスを活用するのがおすすめです。クリーニング業者のなかには、ダニ駆除と合わせて防カビ加工をしてくれる業者もあります。また、防ダニ機能が備わっている布団カバーを使うのもダニ対策としておすすめです。

マットレス

マットレスのダニを予防・退治する際は、布団乾燥機を使うのがおすすめです。ダニは暗い場所を好む性質なので、昼間はマットレスの中に潜んでいる可能性があります。そのため、夜間に電気を消して1時間ほど経ってから、布団乾燥機を使用しましょう。1度では効果が出にくいため、2～3日連続して行ったうえで、布団乾燥機の使用後に掃除機でダニの死骸を吸い取ると効果的です。

マットレス用の市販のダニ駆除薬剤も使用できますが、肌荒れなどのトラブルを起こす可能性があります。使用する際は、必ず説明書を読んでから使用するようにしましょう。

また、マットレスカバーを洗濯する際は、60℃以上の熱湯につけおきしたり、乾燥機を使ったりするのがおすすめです。マットレスカバーの生地を痛めてしまう可能性があるので、洗濯表示を確認したうえで行いましょう。

また、防ダニ機能があるマットレスカバーを使うのもダニ対策として効果的です。

まとめ

ダニの死骸や糞を吸い込むと、蕁麻疹を引き起こしてしまう可能性があります。ダニは高温多湿な環境や、人の皮脂や垢が落ちている場所で繁殖しやすくなるので、定期的に換気や掃除をすることが大切です。

ダニを予防したり退治したりするときは、布団乾燥機やスチームアイロンなどを活用して60℃以上の高温で対処するのがおすすめです。ダニによる蕁麻疹を引き起こさないためにも、ダニの発生場所に合った退治方法を取り入れましょう。