【寝すぎて腰が痛い人必見】寝起きの腰痛の原因と対策方法を紹介

寝すぎてしまった朝などに、腰の痛みを感じたことがある方は多いのではないでしょうか。疲労を回復させるために睡眠は大切ですが、長時間寝すぎることで腰痛につながるおそれがあります。本記事では、腰の痛みの原因や対策方法を詳しく解説します。寝起きの腰の痛みに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

寝すぎて腰が痛い原因とは

寝ているときは、体圧によって身体に負担がかかっています。そのため、睡眠時間が長くなりすぎると、腰が痛くなるという症状が出やすいのです。ここからは、寝すぎて腰が痛い原因を3つ取り上げて説明します。

寝返り不足

腰が痛くなる原因の一つとして、寝返り不足が挙げられます。人は一般的に、一晩で約30回寝返りをすると言われ、寝返りをすることで身体の1ヶ所に負担がかからないようにしています。しかし、寝返りがうまくできていない場合、身体の筋肉が凝り固まって血行不良になるため、腰痛などを引き起こしやすくなるのです。

身体に合わない寝具

ふだん使用している寝具が身体に合っていないことで、腰を痛めている可能性も高いです。例えば、マットレスが硬すぎる、柔らかすぎる、また枕の高さが合わないなどの理由で寝返りがスムーズに打てず、筋肉が凝り固まっているケースが考えられます。特に柔らかすぎるマットレスの場合、就寝中の姿勢が崩れやすく、腰に負担がかかりやすいため、注意が必要です。

筋肉のゆるみ

睡眠は筋肉をゆるめて疲労を回復するのに役立ちますが、長時間寝すぎると、筋肉がゆるみすぎて痛みを感じる場合があります。例えば、腕に力こぶを出すときは「上腕二頭筋（じょうわんにとうきん）」が収縮して「上腕三頭筋（じょうわんさんとうきん）」は弛緩するというように、筋肉は緊張と弛緩のバランスを取りながら動きます。寝すぎて筋肉全体がゆるんでしまうとこのバランスが崩れ、身体の不調につながるのです。

寝すぎて腰が痛くなったときの対処方法　　

それでは、寝すぎて腰が痛くなった場合、どのようにすれば解消できるのでしょうか。4つの対処方法を紹介します。

入浴する

起きたときに腰が痛い場合、最もおすすめなのが入浴です。身体を温めることで、痛みの原因である血行不良が解消します。38〜40℃のぬるめのお湯にゆっくり浸かると効果的です。ただし、朝は忙しくてなかなかゆっくり入浴できないという人も多いでしょう。朝に入れない場合は、夜に入ることで腰痛予防の効果が期待できます。

ストレッチをする

ストレッチで血行を促進するのも良い対処方法です。起床して腰の痛みを感じたときは、軽いストレッチを行ってみましょう。この場合、仰向けの状態で両ひざを抱えて胸に近づけ、その状態を約30秒キープする腰のストレッチがおすすめです。また、足首を動かす、などの簡単な動きでも効果があります。ただし、ストレッチで腰の痛みが増したときはすぐに止めることが重要です。特にぎっくり腰などの場合は、ストレッチは逆効果なので注意が必要です。

軽い運動をする

ウォーキングなど下半身を動かす運動は、血流の促進に効果的です。腰の痛みがひどくなければ、軽い運動をすると良いでしょう。筋肉が衰えると痛みを感じやすくなるため、適度な運動習慣は腰痛の予防にもなります。日常的に運動して筋力を高めておくことで背骨が正しく支えられ、腰への負担が軽減されます。

治療を受ける

腰の痛みが強い場合、あるいは痛みが続く場合は、医療機関を受診して治療を受けましょう。腰だけでなく、骨盤や背骨の歪みによって周辺の筋肉に負担がかかっているケースもあります。痛みを慢性化させないためにも、専門医に原因を見つけてもらうことをおすすめします。

寝起きの腰痛を防ぐ方法

起きたときの腰の痛みは、あらかじめ予防することも可能です。寝起きの腰痛を防ぐ方法を2つ取り上げて解説します。

室温は低くしすぎない

寝室の室温を低くしすぎないよう心がけることで、寝起きの腰痛が予防できます。室温が低いと筋肉がこわばって血行不良になるため、適温にしておくことが重要です。冬場でも室温が20℃程度になるようエアコンで調節しましょう。できれば20℃に設定したまま朝まで運転しておくことがおすすめですが、つけっぱなしにしたくない場合はオフタイマーを使い、寝具や着るもので温度低下に備えると良いです。

また、湿度の目安は40～60％です。特に冬は乾燥しやすいため、加湿を工夫する必要があります。夏場では、一晩中エアコンを利用する場合、室温28℃、湿度50～60％の「除湿運転」がおすすめです。

身体に適した寝具を選ぶ

自分の身体に適した寝具を選ぶことも腰痛予防の一つです。睡眠時に理想的な寝姿勢をキープできる寝具を選びましょう。理想的な寝姿勢は、仰向け寝の場合と横向き寝の場合、それぞれで異なります。仰向け寝では背骨がなだらかなS字カーブになる状態、横向き寝では背骨と床がまっすぐ並行している状態が理想的と言われています。つまり、まっすぐ立ったときと同じ姿勢が保たれていることが重要です。理想的な寝姿勢では、頭が適切な高さで支えられて首や肩にかかる負担が抑えられます。また、体圧が分散され、血液の循環がスムーズになります。

理想的な寝姿勢で寝るための寝具の選び方

理想的な寝姿勢をキープして起床時の腰痛を抑えるためにも、寝具選びにはこだわる必要があります。ここからは、マットレスと枕それぞれの選び方のポイントを解説します。

マットレスの選び方

マットレスの選び方として最も重要なのは、「硬さ」です。好みにもよりますが、寝るときの姿勢や体型を基準にし、体圧分散性に優れたものを選ぶと良いでしょう。基本的に、自分にとって「少し硬め」のマットレスがおすすめです。

また、正しい睡眠姿勢を保つには、「反発性」も考慮することが大切です。マットレスには「高反発」と「低反発」があります。一般的に高反発マットレスの方が理想的な寝姿勢を維持しやすく、低反発マットレスは腰痛がなく柔らかい寝心地を好む人に向いています。そのため、腰に不安がある場合は、高反発マットレスを選ぶと良いです。

さらに、マットレスの「種類」で選ぶ方法もおすすめです。主なマットレスの種類として、コイルが独立していて身体を点で支える「ポケットコイルマットレス」や、コイルが連結していて身体を面で支える「ボンネルコイルマットレス」、高反発・低反発ウレタンが素材の「ウレタンマットレス」などがあります。横向き寝が多く、柔らかいタイプが好みなら「低反発ウレタン」や「ポケットコイル」、うつぶせ寝が多く、しっかりした硬さが欲しいなら「ボンネルコイル」、仰向け寝が多く、中程度の硬さが欲しいなら「高反発ウレタン」を検討してみましょう。

枕の選び方

枕の選び方として一番のポイントは、「高さ」です。最適な枕の高さは、体型やふだんの寝方によって異なります。それぞれに応じた理想的な寝姿勢を保つことができる高さの枕を選びましょう。最適な高さを確認したい場合は、枕に頭を乗せたときの目線を基準にすると良いです。仰向け寝では、真上より少しだけ前方を向いた目線、横向き寝では、床と平行になった目線が最適な高さの目安になります。

「サイズ」で選ぶのも大きなポイントです。一般的な枕のサイズは、約50×35cmの小さめサイズと約63×43cmの標準サイズ、約70×50cmの大きめサイズの3つに分けられます。頭3つ分の横幅を基準とし、寝返りを打ったときに頭が落ちないサイズを選択しましょう。

また、素材の種類もさまざまです。低反発・高反発ウレタンやパイプ、羽毛、ポリエステルわたなどがあるため、寝心地の良さを基準に選ぶことをおすすめします。

体圧分散性に優れたマットレス5選

寝返りの打ちやすい枕3選

そもそもどうして寝すぎてしまうの？

そもそも、腰が痛くなるほど寝すぎてしまうのはどうしてなのでしょうか。ここからは、「寝すぎ」の原因について解説します。

睡眠不足

寝すぎてしまう原因として、「睡眠不足」が挙げられます。慢性的に睡眠不足の状態で「睡眠負債」が溜まっているため、休日に寝だめをしようとして寝すぎてしまうことも多いのではないでしょうか。また、慢性的な睡眠不足は、身体の回復力を低下させます。腰の疲れが溜まっていくことで、腰痛が発生しやすくなるのです。

ストレス

「ストレス」も、寝すぎの原因の一つです。ストレスが溜まると自律神経のバランスが乱れてしまい、睡眠の質の低下や過眠につながるおそれがあります。特に睡眠の質の低下は、なかなか起きられなかったり、そのまま二度寝してしまったりという習慣を生み出しかねません。ストレスはできるだけ解消しておくことが重要です。

体調不良

「体調不良」が原因で寝すぎてしまうことも多いでしょう。風邪やケガなど、さまざまな要因で身体がダメージを受けているときは、回復のために多くの睡眠が必要になります。「甲状腺機能低下症」や「アルツハイマー病」、「パーキンソン病」では特に睡眠が増えると言われています。

寝すぎは身体にデメリットがある

適切な睡眠は疲労を回復させる効果がありますが、寝すぎは身体にデメリットがあります。例えばアメリカの調査では、寝すぎの状態が習慣化してしまうと心臓病や糖尿病のリスクが高くなるという研究結果が出ています。また、7時間睡眠の人が最も死亡率が低く、睡眠時間が8時間を超えると死亡リスクが上昇するとも言われています。

寝すぎを防ぐための方法

それでは、寝すぎにならないためにどのような方法を取ると良いのでしょうか。ここからは、寝すぎを防ぐための4つの方法を紹介します。ぜひ日常に取り入れてみてください。

朝は太陽の光を浴びる

朝、日光を浴びることで、夜に睡眠を促すホルモンが分泌されます。入眠がスムーズになることで睡眠リズムが整い、寝すぎを防止できます。また、太陽の光は強い刺激になるため、脳が覚醒しやすくなる点もメリットです。

寝起きに水を飲む

寝起きにコップ1杯の水を飲むことも寝すぎを防ぐ良い方法です。水を飲むことで交感神経が働き、スッキリと覚醒できます。また、胃腸が刺激されて動き出すため、食欲が湧き目覚めが良くなります。ただし、この場合、冷たすぎる水や熱すぎるお湯は身体に負担がかかるので、白湯や常温水がおすすめです。

生活リズムを整える

寝すぎを防止するには、生活リズムを整えることが重要です。昼頃まで寝たり、夜更かしをしたりすることは控え、休日であってもできるだけ起床・就寝時間を一定にしましょう。そうすることで脳が時間を覚え、朝は自然に目覚め、夜は眠気が出るようになります。

就寝前にスマホやパソコンを使用しない

スマホやパソコンの画面から放たれるブルーライトには覚醒作用があると言われます。そのため、就寝前に見ると寝つきが悪くなり、起きられなくなるおそれがあります。寝すぎにつながりやすいので、寝る前はスマホやパソコンを使用しないよう心がけましょう。習慣化している場合は、スマホは寝床から手の届かない所に置く、ゲームやネットサーフィンの時間を決めておくなどの工夫が必要です。

まとめ

寝すぎたときに腰が痛くなる原因として、寝返り不足や身体に合わない寝具、筋肉のゆるみなどが挙げられます。理想的な寝姿勢が維持できるよう、寝具は適切なものを選びましょう。

また、起床時に腰痛がある場合は、入浴やストレッチ、運動で血行を良くすると改善することが多いですが、痛みが強かったり続いたりするときは医療機関で受診するのがおすすめです。長時間の睡眠が腰痛を引き起こしているなら、寝すぎないよう一定の生活リズムを整えることも重要です。

今回の記事を参考に、寝起きの腰の痛みを予防・改善していきましょう。