寝返りが打てない理由はこれだった！原因や寝返りのメリット、うまく寝返りをする方法などについて解説

「たくさん寝ているはずなのに疲れが取れない」と悩んでいる方も多いかもしれません。睡眠時間は長いのに疲れが抜けない理由の一つとして、寝返りがうまく打てていない可能性があります。本記事では、寝返りが打てない原因やメリット、うまく寝返りをする方法などについて詳しく解説します。寝返りについて知りたい方はぜひ参考にしてみてください。

寝返りが打てない原因は？

なぜ寝返りが打てないのか、まずはその原因から探ってみましょう。寝返りが打てないのには、大きく分けて身体的な原因と睡眠環境による原因の2つがあります。それを踏まえて、ここでは6つの代表的な原因を紹介します。

長時間のデスクワークやスマホ操作

長時間同じ姿勢が続くことによって筋肉が凝り固まり、寝返りが打ちづらくなります。例えば、デスクワークを長時間継続したり、スマホ操作でずっと下を向いていたり、というような日常習慣が血流を滞らせ、筋肉の凝りを引き起こすのです。このように凝り固まって硬直した筋肉は柔軟性に欠けるため、身体の可動域が狭くなり、寝返りの回数も減少してしまいます。特に、肩や腰周りの筋肉に注意が必要です。

筋力の衰え

寝返りにも筋力が必要です。寝返りには最大で19パターンの動作があると言われ、それらに共通しているのが脊柱を軸とした肩甲骨と骨盤間の「体軸内回旋」です。この動きには、お腹にある「腹直筋」や「腹斜筋」を中心に、さまざまな筋肉が使われています。そのため、ある程度の筋力がなければ寝返りが打てません。高齢者や身体的な障がいをお持ちだと筋力が衰えやすく、寝返りが打てなくなるケースもあります。

近い距離に子どもやパートナーがいる

子どもやパートナーと一緒に寝ているといった睡眠環境も、寝返りが打てない原因の一つです。睡眠中、近い距離に子どもやパートナーがいると、窮屈な状態になります。自分の周りに余分なスペースがないと無意識下でも身体が動かしづらくなり、寝返りが妨げられてしまうのです。また、身体に合っていない小さいベッドの使用も同様です。一緒に寝る人数や自分の身体に合った、余裕のある広さのベッド・敷き布団を選ぶ必要があるでしょう。

マットレスが合っていない

体重に対して柔らかすぎるマットレスを使っていることも、寝返りの打ちづらさの原因になります。柔らかすぎると身体が沈み込んでしまうため、睡眠中の動作がしづらくなり、寝返りが妨げられるのです。柔らかなマットレスは寝る時は心地良いものですが、動きにくくなることで結果的に身体に負担がかかってしまいます。身体が沈み込まない、適度な硬さのマットレスを選ぶことが大切です。

掛け布団が重すぎる

重すぎる掛け布団や毛布も、寝返りが打ちにくくなる睡眠環境だと言えるでしょう。上に乗せるものが重いと物理的に身体が圧迫されてしまいます。このような身動きが取りづらい状態では、どうしても寝返りの動作が取りづらくなります。なるべく軽い掛け布団や毛布の利用がおすすめです。

枕が合っていない

サイズや形が合ってない枕を使っていると無意識に身体が硬直するため、寝返りが打ちづらくなります。例えば、枕が小さすぎて寝返りを打つ時に頭が落ちそうになったり、低すぎる場合では仰向けから横向きに寝返りを打とうとするとガクッとした違和感があったりします。そのため、睡眠中に身体が緊張してしまい、寝返りが打ちにくくなってしまうのです。また、真ん中がへこんでいる形の枕や低反発枕では、頭が埋まって固定されてしまうことで寝返りが難しくなりがちです。枕を選ぶ際は、適切なサイズや形はもちろん、硬さにも気をつけると良いでしょう。

寝返りをするメリットとは？

そもそも、寝返りをすることによってどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、寝返りがもたらすメリットについて詳しく解説していきます。

睡眠中の身体の負担を軽減する

睡眠中のように長時間同じ体勢だと血流が悪化し、背骨や筋肉などに負担がかかります。しかし、寝返りを打つことによって身体が適度にほぐれ、かかっている負担が分散されます。ストレッチをしたような心地良い状態になることで、睡眠の質が大いに高まるでしょう。

また、血行不良が続けば腰痛や床ずれにつながるおそれがありますが、寝返りをしっかり打つことでその心配も解消されます。寝返りには、睡眠中に身体にかかっているさまざまな負担を軽減し、睡眠の質を高める効果があるのです。

日中の疲労を回復させる

質の良い睡眠と寝返りによって睡眠中に筋肉や背骨を休ませることができるのはもちろん、1日頑張った身体をリセットさせることも可能です。起きている間は、デスクワークや家事など、下を向いて何かをしている時間が多いものです。背骨が丸まり、筋肉が凝り固まる状態が続いて腰痛や肩こりになりがちですが、予防のためにも睡眠中に身体をリセットする必要があります。仰向けで身体を自然に伸ばすだけでなく、寝返りで身体を反らす動作を加えると効率的にリセットできるでしょう。

寝具の空気を入れ替える

寝返りには、寝具にこもった空気を入れ替えて適温を保つ効果があります。寝返りを打って掛け布団や毛布、マットレスの空気の入れ替えをすることで、快適な睡眠に合った温度や湿度が保てます。一方、寝返りが打てないと寝具の中が高温多湿になり、蒸れが生じて目が覚めやすくなるでしょう。通気性の良い寝具を利用すれば蒸し暑さがある程度解消できますが、布団やベッドの中全体における温度・湿度の調整は、寝返りでないと難しいと言えます。

平均的な寝返りの回数は20〜40回

一般的に人は寝返りを一晩で20～40回行っていると言われています。また、寝返りの回数は大人と子どもとでは異なり、子どもが打つ寝返りは一晩で50〜90回です。子どもの方が大人の倍ほど寝返りが多いですが、その理由として大人よりも睡眠時間が長いことが挙げられます。

また、寝返りが多くなるのは、眠りが深くなる「ノンレム睡眠」の時です。大人の場合、ノンレム睡眠とレム睡眠の周期は約90～120分ですが、子どもの場合は約40～60分とノンレム睡眠に切り替わる回数が多く、それによって寝返りの回数も増えていると言えます。

寝返りが打てないとどうなるの？

では、寝返りが打てないことによってどのような問題が生じるのでしょうか。ここでは、寝返りが打てないとどうなるのか主な影響について説明します。

血行不良の原因になる

寝返りが打てないと睡眠中に筋肉や背骨などが圧迫され、身体の同じ箇所に負担がかかって血行不良になるおそれがあります。血行不良になると、酸素や栄養が全身に行き渡らなくなり、老廃物が蓄積され、肩こりやむくみ、冷えといったさまざまな身体の不調が引き起こされます。さらに進行すると疾病につながるリスクもあるため、注意が必要です。

凝りや痛みを引き起こす

寝返りが打てないことで凝りや痛みを引き起こしているケースもあります。血行不良によって身体が圧迫され、床ずれや腰痛などが発生しやすくなるからです。起床時に身体の凝りや痛みが感じられる場合、寝返りが打てていない可能性があるかもしれません。

疲労が抜けない

寝返りをしっかり打てていなければ、いくら睡眠時間が長くても疲労が抜けないことがあるでしょう。なぜなら、身体の不調をリセットする役割が果たされないからです。寝返りを打つことで、寝ている間の筋肉や背骨の負担が解消されるのはもちろん、日中に凝り固まった身体もほぐされます。

睡眠の質が低下する

寝返りを打てないことによる最も大きな影響として、睡眠の質の低下が挙げられます。寝返りをしないと身体の一部と寝具が長時間接し、蒸れが発生します。また、寝返りで空気の入れ替えができず、掛け布団や毛布の中が蒸し暑くなる場合もあります。これらが原因となり寝苦しさを感じると眠りも浅くなりやすいため、快適な睡眠が確保できなくなるのです。

うまく寝返りをするために

上記のように、寝返りが打てないことでさまざまなデメリットが引き起こされます。それでは、うまく寝返りをするにはどうしたらいいのでしょうか。トライしやすい具体的な方法を5つ紹介します。

ストレッチで血行促進

寝返りをうまく行うには、寝返りの際に使われる筋肉やこわばりが生じやすい部位の血行を促進するストレッチが効果的です。簡単にできるストレッチを日常に取り入れてみてください。

仰向けで腰を捻る

寝返りには腰の捻りが重要です。ストレッチを行い、腰周りの筋肉を柔らかくしておきましょう。

1. 仰向けに寝る
2. 片足を持ち上げ、腰を回しながらもう片方の足の上に重ねるようにする
3. 手でひざを押さえ、腰を捻った状態で10秒間そのまま
4. 反対も同様に行う

片足ずつ胸に引き寄せるストレッチ

こちらも仰向けに寝た状態で行うストレッチです。太ももはもちろん、腰やおしりのこわばりに高い効果があります。

1. 仰向けに寝る
2. 片方のひざを両手で抱えて、胸に引き寄せる
3. もう一方の足はつま先を伸ばす
4. 30秒そのままの姿勢を保つ
5. 反対も同様に行う

猫背向けキャットレッチ

背中や腰がこわばりやすい、猫背気味の方にピッタリのストレッチです。椅子に座ったままできるのでスキマ時間に行ってみましょう。

1. 椅子に座り、手のひらを上にしておしりの後ろで組む
2. 息を鼻から吸い、口から吐きながら左右の肩甲骨を近づけるようにする
3. 肩を開いた状態でそのまま3秒
4. 肩を戻す
5. 10回繰り返す

自分に合った枕を選ぶ

枕は寝返りに大きな影響を及ぼします。自分に合った枕でないと寝返りをうまく打つことができません。大きめサイズを選ぶのはもちろん、素材は柔らかすぎない高反発ウレタンやラテックスなどがおすすめです。また、手入れのしやすさについても吟味し、使いやすいものを選びましょう。

▼ 寝返りしやすい快眠枕3選！

動きやすいパジャマを着る

寝返りは意外と大きな動作です。そのため、動きやすいパジャマを着て寝ることが大切になります。パジャマは、肌触りが良く身体を縛り付けない、ゆったりとしたものを選ぶのがポイントです。さらに、体温調節のしやすさにも注目し、吸湿性の高い綿素材のものなどを選ぶと良いでしょう。

▼ 肌触りが良いパジャマ3選！

身体に合うマットレスを選ぶ

寝返りをうまく打つためには、身体に合ったマットレスを選択することも重要です。マットレスは、柔らかすぎると身体が沈み込んで寝返りが打ちにくくなりますが、少し硬めのマットレスなら快適に寝返りを打つことができます。寝返りの打ちやすさで選ぶなら、必ず自分に合った「少し硬め」のマットレスを選びましょう。特に、反発力のあるコイルマットレスがおすすめです。

▼ 寝返りしやすい快眠マットレス3選！

重すぎない掛け布団を選ぶ

掛け布団が重すぎると、押さえつけられて動きづらくなるため、寝返りしにくい状態になります。掛け布団は、羽毛などの軽いものに交換しましょう。

また、一番おすすめなのは、軽い掛け布団の上に毛布をかけて寝ることです。毛布を直接身体に乗せて寝ると、寝返りの時に巻き込まれて動きにくくなりますが、掛け布団を身体に乗せるとサラッとして動きやすいため、寝返りが打ちやすくなります。また、毛布を上に被せることで、身体と掛け布団の間の暖かい空気を逃しません。

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まとめ

睡眠中、無意識で行っている寝返りですが、寝ている間の身体の負担を軽減したり、日中の疲労を回復させたりなど、さまざまな役割を持っています。また、寝返りをうまく打つことで睡眠の質が上がるなどのメリットも大きいです。一方、うまく打てない場合は身体的な原因と睡眠環境による原因があるため、どちらなのか見極める必要があるでしょう。
ぜひ、今回の記事を参考にして寝返りの改善に取り組んでみてください。