高反発ウレタンマットレスの密度とは？計算方法と寿命、特徴を紹介

高反発マットレスのなかには、ウレタンの密度の高さをアピールしている商品が多くあります。しかし、ウレタンの密度がマットレスの寝心地にどう関わるのか、わからない人も少なくないでしょう。

そこで今回は、高反発ウレタンマットレスの密度ごとの特徴と選び方を詳しく紹介します。高反発ウレタンマットレスを長く使い続ける方法も紹介しているので、マットレスの購入を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

ウレタンの密度とは

ウレタンとは、液状の石油薬品を化学反応で膨らませて固めた樹脂素材のことです。ウレタンの密度は、ウレタンがどれくらい詰まっているかの指標として「D（Density）」という単位で表されます。

ウレタンの密度の計算方法

ウレタンの密度は「ウレタンの重さ÷ウレタンの体積（縦×横×高さ）」で求められます。

例えば、シングルサイズ（195cm×100cm）で厚さ10cm、重さ7kgのマットレスの場合は「7÷(1.95×1×0.1)=35.9」となり、密度は「約36D」です。

高密度ウレタンの特徴

ウレタンマットレスは、密度が高くなるほど耐久性が上がり、寿命が長くなるとされています。そのため、密度はマットレスの耐久性を判断するための指標として用いられるのが一般的です。

高密度のウレタンマットレスは、より多くの原料を必要とするため、密度とともに価格も高くなる傾向があります。

高反発ウレタンマットレスの密度ごとの特徴

高反発ウレタンマットレスは、密度が高くなるほど寿命が長くなり、価格も高くなるのが特徴です。ウレタンの密度ごとの寿命と、価格の目安は以下の通りです。

密度	寿命	価格
20D前後	数ヶ月〜1年程度	リーズナブル
25D前後	3〜5年	リーズナブル
30D前後	5〜8年	やや高い
40D前後	8〜10年	やや高い
50D前後	10年以上	高い

高反発ウレタンマットレスの密度ごとの特徴を詳しく見ていきましょう。

密度20D前後

低価格帯の高反発ウレタンマットレスは、20D前後の製品が多い傾向があります。価格がリーズナブルな点に魅力がありますが、寿命が数ヶ月〜約1年程度と比較的短いのが難点です。

長く使い続けられるマットレスを探している人は、30D以上の商品を選びましょう。

密度25D前後

25D前後のマットレスは、リーズナブルなものが多く、寿命が3〜5年程度と比較的短くなっています。ただし、ウレタン素材の品質や使い方によっては劣化が早くなる可能性があるので、購入前に製品情報や口コミを確認しておきましょう。

購入価格を抑えやすい密度25D前後のマットレスは、引越しのたびにマットレスを買い換えたい人におすすめです。

密度30D前後

30D前後の高反発ウレタンマットレスは、取り扱っているメーカーが多く、寿命が5〜8年程度と長いのが特長です。購入価格を抑えながら長く使い続けられるマットレスを選びたい人は、30D以上のマットレスを選びましょう。

密度40D前後

40D前後の高反発ウレタンマットレスの寿命は8〜10年程度です。

耐久性が高く長期間利用できるので、予算をかけてこだわりのマットレスを使い続けたい人に向いています。ただし、密度40を超えるとマットレスの重量が重くなるので、引っ越しや模様替えを頻繁にする人は、マットレスの重さにも注目しておきましょう。

密度50D前後

50D前後の高反発ウレタンマットレスは、10年以上使い続けられるものが多く、その分価格も高くなります。

長く使い続けられるメリットがありますが、同じマットレスを10年以上使い続けるには定期的なメンテナンスが欠かせません。マットレスの中に湿気がたまると、カビやダニが発生することがあるためマットレスがへたっていなくても、買い替えなければならない状況になる可能性があります。

へたりにくいマットレスを購入しても、メンテナンスをしなければ長く使い続けられないことを認識しておきましょう。

高密度のおすすめウレタンマットレス

密度が高いと寝心地がいい？

密度の高さはマットレスの寿命に関わりますが、高密度であれば寝心地がいいとは限りません。マットレスの寝心地や寝返りの打ちやすさは、ウレタンの密度だけでなく、硬さや体圧分散性といった要素によって異なります。

寝心地のいいマットレスを購入するためにも、密度以外の要素も確認しながらマットレスを選びましょう。

耐久性のよいマットレスを選ぶ際のポイント

耐久性のよいマットレスを選ぶには、密度を自分で計算してみたり、復元率を確認したりすることが大切です。

ここでは、耐久性のよいマットレスを選ぶ際に注目したいポイントを紹介します。

密度を計算する

マットレスの密度は「ウレタンの重さ÷ウレタンの体積（縦×横×高さ）」で求められるので、購入前に計算してみるのがおすすめです。密度が記載されているマットレスであっても、密度を計算することで正しく記載されているかの判断材料としても活用できます。

記載内容に違和感がある場合は、販売元や店舗に確認してみましょう。

復元率を確認する

マットレスの復元率は、耐久性を判断するための重要な要素です。復元率とは、マットレスを圧縮したあとに「元の形状にどの程度まで戻るか」を数値化したものです。

復元率が98%を超えるものは、寿命が8年から10年程度と長く、価格も高くなる傾向があります。長く使い続けられるマットレスを選びたい場合は、復元率96%以上を目安に選ぶとよいでしょう。

ウレタンマットレスの復元率の計算方法や寿命の目安は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

価格を確認する

​​耐久性の高いマットレスを選ぶ際には、価格を確認することも大切です。マットレスの価格が高くなるほど耐久性が上がるわけではありませんが、安すぎるマットレスは耐久性が低い傾向があります。

マットレスの価格は、メーカーや種類によって異なるので、密度や復元率を合わせて確認するのがおすすめです。

密度が高くてもへたりが生じることはある

密度が高いマットレスは耐久性が高く、寿命が長い傾向がありますが、使い方によっては想定よりも早くへたる可能性があります。特に、ウレタン素材には通気性が悪い特徴があるため、湿気や寝汗によりマットレスが劣化してしまうことがあります。

マットレスを長持ちさせるためにも、定期的に寝室の換気をしたり湿気を逃がすために陰干しをしたりすることが大切です。

マットレスのへたりの原因や対処法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

マットレスのへたりの対処法3選！原因やへたりにくいマットレスも紹介

高反発ウレタンマットレスを長持ちさせる方法

マットレスを長持ちさせるには、定期的なメンテナンスが重要です。メンテナンスが難しい場合は、敷きパッドやベッドパッド、マットレスプロテクターなどのアイテムを取り入れる方法もおすすめです。

ここでは、高反発ウレタンマットレスを長く使い続けるために効果的な方法を紹介します。

定期的に陰干しする

高反発ウレタンマットレスの寿命を延ばすには、マットレスの中に湿気をためないことが重要です。寝汗や湿気による劣化からマットレスを守るためにも、風通しのよい場所で定期的に陰干しをしましょう。

敷きパッドやベッドパッドを使う

定期的に陰干しをすることが難しい場合は、敷きパッドやベッドパッドを使う方法があります。敷きパッドやベッドパッドは、マットレスを保護して、皮脂や汗などがマットレスに付着するのを防ぎます。

敷きパッドやベッドパッドには、消臭や防ダニ効果といった機能性に優れている製品もあるので、求めている性能から選ぶのもおすすめです。

マットレスプロテクターを使う

マットレスプロテクターは、シーツとマットレスの間に敷くもので、肌に直接触れないのが特徴です。マットレスの保護だけでなく、ダニやカビの発生を抑える素材を使用しているものや、防水機能が備わっているタイプもあります。

防水仕様のマットレスプロテクターを使うと、子どもがおねしょをしてしまったときにマットレスまで浸透するのを防止できるので、小さな子どもがいる家庭にもおすすめです。

マットレスプロテクターの選び方やおすすめの商品は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

おすすめのマットレスプロテクター4選！役割やベッドパッド・シーツとの違いも解説

まとめ

高反発ウレタンマットレスは、密度が高くなるほど寿命が長くなる傾向があるので、マットレスの購入前に密度を確認しておきましょう。ただし、密度が高いマットレスは価格も高くなりやすいので、使いたい年数と価格のバランスを考えながら自分に合ったマットレスを選ぶことが大切です。

また、耐久性の高いマットレスを購入しても、適切なメンテナンスができなければ想定よりも早く劣化する可能性があります。高反発ウレタンマットレスを長く使い続けるためには、定期的にメンテナンスをしたり、敷きパッドなどのアイテムを活用したりすることが大切です。