横向きで寝ると肩が痛いのはどうして？対策と原因を詳しく紹介

横向きで寝る癖がある方のなかには「横向きで寝ると腰に負担がかからず寝やすい」と感じる方もいるのではないでしょうか。横向き寝は腰への負担が少ない一方、肩に負担がかかりやすく、起きたときに肩が痛くなってしまうことがあります。

本記事では、横向き寝で肩が痛いと感じるときの対策方法を詳しく紹介します。横向き寝が原因で巻き肩になっている場合の対処法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

横向きで寝ると肩が痛い！その理由とは

横向き寝で肩が痛くなる理由は、肩や首に負担がかかる寝姿勢や、巻き肩になっていることが考えられます。それぞれ詳しく説明します。

理由①肩や首に負担がかかった寝姿勢

横向き寝は、身体の片側のみに体重がかかり、肩や首への負担が集中しやすくなります。下側になっている肩が圧迫され、背骨と肩甲骨をつなぐ筋肉が常に引っ張られる状態になり、肩に痛みが生じるのです。

肩や首に負担をかけないためには、頭から背骨にかけてまっすぐ並行な状態を保つことが理想です。そのため、枕の高さが高すぎたり低すぎたりすることも、肩や首への負担が強まる原因になります。

理由②「巻き肩」になっている

横向きで寝ることで巻き肩になり、肩や首に痛みが生じることもあります。巻き肩とは、本来は耳の直線上にあるはずの肩が、耳よりも前に出て、肩が内側に入り込んでいる姿勢を指します。巻き肩になる原因は寝姿勢だけでなく、長時間のパソコンやスマホ操作が起因しているケースもあります。

巻き肩は病気ではありませんが、肩から胸にかけての筋肉が収縮することで姿勢が悪くなり、頭痛や腰痛などの不調を引き起こす原因にもつながります。

理由①肩や首に負担がかかった寝姿勢　その対策とは

肩や首に負担がかかる寝姿勢は、寝具を変えることで改善できる可能性があります。ここでは、横向きに適した寝具の選び方を紹介します。

敷きパッドを使う

横向き寝をする方には、厚みのある敷きパッドがおすすめです。敷きパッドを使用すると、マットレスのコイルによる痛みが軽減され、肩の圧迫がゆるやかになります。マットレスが硬くて寝づらい、コイルが痛いという方は、マットレスの上に敷きパッドを敷いてみましょう。

敷きパッドを使用することで、マットレスへの汗ジミも防げる点もメリットです。

横向き寝に適したマットレスを使用する

横向き寝に適したマットレスを使用することで、肩や首への負担が軽減される可能性があります。横向き寝に適したマットレスの選び方を「硬さ」「厚み」「体圧分散性」の項目ごとに紹介します。

● 硬さ

横向きで寝ることが多いのであれば、少し柔らかめの低反発マットレスがおすすめです。

横向き寝は仰向け寝と比べて肩や腰周りの凹凸が大きくなります。柔らかいマットレスであれば、身体の凹凸や重さに合わせて適度に沈み込み、肩や腰を支えられます。そのため、肩や腰への圧迫感が軽減され、理想の寝姿勢で眠れるでしょう。

ただし、柔らかすぎると肩や首を痛める可能性があるため、自分の身体にあったものを選ぶことが大切です。

● 厚み

横向き寝には、10cm以上の厚みのあるマットレスがおすすめです。マットレスが薄すぎると、横向きで寝たときに肩と腰に体重が乗り、床付き感による痛みを感じやすくなります。10cm以上の厚みがあれば、身体の沈み込みをカバーでき、バランスのよい寝姿勢を保ちやすくなるでしょう。

● 体圧分散性

体圧分散性とは、身体にかかる圧力を分散させて負担を軽減する性質のことです。横向き寝は、背中全体で体重を支える仰向け寝と比べて、少ない面積で体重を支えるため、体圧を分散させることが重要です。体圧分散性に優れたマットレスは、身体の一箇所に体重が集中することを避けられるため、横向きでも肩や首に負担がかかりにくく、安定した寝姿勢を保てます。

体圧分散性の高いマットレスを選ぶメリットや選び方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

体圧分散マットレスを使うメリット｜選ぶ際のポイントと注意点を紹介

横向き寝に適した枕を使用する

横向き寝の理想的な姿勢は、横から見たときに頭から首の骨・背骨までが一直線で、床面と平行になっている状態です。横向き寝と仰向け寝では、枕に求められる高さが異なります。横向き寝では、肩と首の間に幅があるため、仰向け寝のときより高さが必要です。ただし、高すぎると頭が持ち上がり首の神経が引っ張られてしまい、かえって首に負担がかかるので注意が必要です。

横向き寝には、頭が自然と固定される幅が広い枕が適しています。真ん中がくぼんでいる枕や、寝返りを打っても頭が落ちない大きさの枕を探してみましょう。

理由②「巻き肩」になっている　その対策とは

巻き肩には以下の5つの原因が挙げられ、それぞれの原因に合わせた解消方法を知ることが大切です。

• 寝姿勢を変える
• パソコンやスマホの長時間利用を控える
• 筋力不足を改善する
• ストレッチをする
• 整形外科や整体院などで相談をする

寝姿勢を変える

巻き肩は、上半身の体重が肩にかかり、その負担を分散させるために肩が前へスライドすることが原因とされています。肩に体重がかかりやすい横向き寝が癖になっている方は、仰向けで寝るように意識をしてみましょう。

また、寝返りが打ちやすい寝具を取り入れるのも効果的です。寝返りを打ちやすくする方法や寝具の選び方は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

寝返りは大人にも必要？睡眠の質を下げる原因と改善方法を紹介

パソコンやスマホの長時間利用を控える

パソコンやスマホを長時間見ていると、無意識に背中が丸くなり、上半身が前に傾いてしまいがちです。前傾姿勢を長時間とり続けると、巻き肩の原因になるため、小まめに姿勢を変えたりストレッチをしたりといった対策が重要です。パソコンやスマホの長時間利用を控えて、巻き肩を改善させましょう。

筋力不足を改善する

正しい姿勢を維持するための筋力が不足していると、背中が丸くなりやすく、巻き肩の原因になります。特に胸と背中の筋肉が伸びていると、胸を張る、肩甲骨をよせる、といった動きが弱くなります。これにより筋肉のバランスが崩れて肩がすくんだ状態になるので、意識的に胸と背中の筋肉を動かして、筋力不足を改善していきましょう。

ストレッチをする

巻き肩は、自宅で手軽にできるストレッチで改善できる可能性があります。ここでは、椅子に座って胸と肩甲骨をほぐすストレッチと、バスタオルを使用して首をほぐすストレッチを紹介します。

● 胸と肩甲骨をほぐすストレッチ

1. 椅子に座り、後頭部で両手を組む
2. そのまま20回を目安に腕を前後に動かす

肩を前に出したり、後ろに引いたりする動きを繰り返すことで、胸の筋肉がほぐれます。

● バスタオルを使用して首をほぐすストレッチ

1. 横になり、縦に棒状に丸めたバスタオルを首の下に入れる
2. 首をゆっくりと左右に動かす

首の筋肉がほぐれて気持ちよさを感じられるストレッチです。

整形外科や整体院などで相談をする

対策をとっても改善せず、頭痛や肩こりなどの症状もあれば、整形外科や整体院などで相談することをおすすめします。無理をせずに専門医に相談し、適切な指導を受けるようにしましょう。

「巻き肩」のデメリットとは

巻き肩のデメリットは、放置しておくと身体の不調が引き起こされるリスクがあることです。巻き肩が原因で引き起こされる不調には以下が挙げられます。

• 肩こり
• 腰痛
• 頭痛
• 目の疲れ
• 手の痺れ
• 息苦しさ
• 血流が悪化
• 自律神経の乱れ
• 睡眠の質の低下

これらの不調にならないためにも、巻き肩は放置せずに「巻き肩の原因を解消する」で紹介した改善方法を試しましょう。

肩に負担がかかる注意すべき睡眠の習慣とは

肩に負担がかかる睡眠習慣は、巻き肩や肩の痛みを悪化させるため注意が必要です。ここでは、どのような習慣で肩に負担がかかるかを説明します。

ストレスを感じたまま眠る

心身に疲労が溜まったまま寝ようとすると、肩にも負担がかかってしまうことがあります。できるだけストレスを解消したうえで眠れるように、あたたかいお風呂にゆっくり浸かったり、アロマやヒーリングミュージックでリラックスできる環境づくりが大切です。自分なりのストレス解消方法やリラックスできる行動を意識して、就寝前はゆったりと心身を整えましょう。

寒い中で眠る

寝室が寒いと、寒さで身体がこわばり、筋肉が縮こまった状態のままになってしまい、巻き肩や肩が痛む原因になります。寝室を適温に保ち、寝る前に首や肩を温めることも効果的です。

横向き寝の人におすすめ寝具11選！

最後に、横向き寝の人にもおすすめな寝具を紹介します。

• 厚みのあるベッドパッド（敷きパッド）
• 横向き寝にも適しているマットレス
• 横向き寝にもフィットする枕
• サポートアイテムとして使える抱き枕

厚みのあるベッドパッド（敷きパッド）

横向き寝にも適しているマットレス

横向き寝にもフィットする枕

サポートアイテムとして使える抱き枕

まとめ

横向き寝の理想の寝姿勢は「頭から背骨にかけてまっすぐ並行な状態」です。肩や首に負担を感じている場合は、寝姿勢を変えることや、寝返りを打ちやすい寝具に変えることで改善できる可能性があります。巻き肩になっているのであれば、普段の生活で姿勢を意識したり、ストレッチや筋トレをしたりして、原因にあわせた対策をしていきましょう。